ブログblog

貴金属を買取店へ売却した場合の税金

2013.07.11

 金の価格相場の高騰が続いており、金の売却を考えている方も多いかと思います。街中でよく金・プラチナの買取店を見かけますが、金をそういった買取店へ売った場合の税金について今回紹介いたします。

-所得区分-

 売却を行う場合、売却をするものが金地金(インゴット・金塊)か貴金属ジュエリー(指輪・ネックレスなど)かで、取扱いが異なります。

 まず、金地金の売却を行った場合ですが、その売却の状況に応じて課税される所得区分が異なります。一般的に買取店などで金地金を売却する場合は、その場1回限りの売却だと思われますので「譲渡所得」として所得税の課税を受けることとなります。また「事業として」売買を行っている場合には「事業所得」に。「事業として」ではないが、「営利を目的として継続的に」売買を行っている場合には、「雑所得」に該当します。

 続いて、貴金属ジュエリーの売却を行った場合ですが、こちらは生活用動産の売却に該当し、1個又は1組の価格が30万円以下のものについては課税されません。価格が30万円を超える場合は、金地金の売却と同様に取引状況に応じた所得区分にて課税の対象となります。

 所得区分

-譲渡所得-

 多くの場合がこの譲渡所得に該当すると思われます。譲渡所得は所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得5年以内の場合は短期譲渡所として計算を行います。短期譲渡所得の計算方法は以下の通りです。

  売却価格-(取得価格(購入代金)+売却費用(手数料等)=譲渡益①

  ①-特別控除50万円=譲渡所得②

 長期譲渡所得に該当する場合は②の金額の1/2が課税される譲渡所得の金額となります。この①もしくは②の金額が0以下であれば、金地金の譲渡に対しては課税されません。ただし、その年に金地金以外の譲渡所得や短期・長期の両方がある場合などは、計算方法が異なりますので、ご留意ください。

 

-参考・支払調書制度の施行-

 平成23年の所得税法改正に伴い、平成24年1月1日以降に金地金を売却して得た金額が200万円を超えた場合には、買い取った店舗から税務署へ「支払調書」の提出が義務付けられました。

 これは、売却された方の適正な確定申告を促すこととマネー・ロンダリングを防ぐことを目的としており、支払調書には、売却された貴金属の種類・金額・年月日などが記載されます。それに伴って、売却の際には運転免許証等の本人確認書類の提示が必要となりました。

記事一覧へ