NO139 日本が負けた歴史
2023.06.23
日本軍敗戦の原因をつきつめた「失敗の本質」は、今でも通用する内容が多く、日本の経営者が愛読する本として取り上げている人も複数見かけます。
・人情が軍という組織の合理性・効率性を損なう。
・目的の単一化と、それに対する兵力の集中ができていない。
・「本来、戦術の失敗は戦闘で補うことはできず、戦略の失敗は戦術で補うことはできない。」P291
現代版の「失敗の本質」と言えるのではないかと思う書籍が「日本の電機産業はなぜ凋落したのか」です。
・アナログからデジタルに移行したことで、品質による製品の優劣が消滅したことに気づかないまま、コストをかけた高品質を追求し続けた。
・「「製造」がいつしか「モノづくり」に昇華したのだ。古語から生じたこの言葉には、ある種の神聖性が含まれていた。 古来の匠の技を受け継ぐ「モノづくり」こそが日本の製造業の強みであり、繁栄の源だ、との思いが込められていた。」P29
・わずかな不良品率にこだわって販売価格を引き上げるより、低価格で不良品への返品対応をする道を選択する、という合理的判断を日本企業はできない。
「強み」が、いつしか「弱み」に変わってしまうことがあります。「強み」を持った瞬間に、その場に固定化され、時代の流れに従う流動性が失われる「弱み」も内包することになります。常に動き続け、変化し続けることの大切さを痛感させられます。