NO5 損益とキャッシュ
2017.08.02
事業者の方から、損益計算書の所得とキャッシュの増加との繋がりに関するご質問をいただくことが多くあります。特に、事業を初めて間がないうちに疑問に感じる方が多い箇所です。このご質問に関しては、税理士側の説明不足に起因する部分もあろうかと思います。税理士サイドとしては、通帳だけを見て「儲かった」「儲かっていない」と判断する事業者の方に対して、つい損益計算書を押し付けて説明しがちです。しかし、事業をしている方にとっては、キャッシュの増減が全てといっても過言ではありません。そこの意図を汲んだ上での、貸借対照表や損益計算書の説明をしなければ、税理士としては説明不足と言えます。
豊かな生活のためにキャッシュを増やす・事業の拡大に向けた投資のために稼ぐ・将来のリスクヘッジのためにキャッシュを蓄える・・・いずれの目的も、事業運営によってキャッシュを生み出さないと達成できません。
創業期のアマゾンは損益計算書上で赤字を出し続けながら上場し、それでも株価が増え続けました。経営は、キャッシュをいかに増やし、いかに回すかが大切であり、それを踏まえた上で事業者の方に分かりやすく説明するのが税理士の役割の一つです。