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NO145 令和6年度税制改正大綱

2023.12.23

政策色が前面に出た税制改正案という印象の内容です。

マイナンバーを活用した給付型ではなく、現場に手間暇をかけさせる定額減税制度によって、賃金手取りが増えた形を演出。所得税と住民税とで所得基準となる年を変えてまで、令和6年6月の賃金手取り額に照準を合わせ、さらに、給与明細に減税額を明記する形を強要させるほどの、演出のこだわりを見せています。

子育て世帯限定のローン控除や生命保険控除、子育て支援企業への賃上げ税制の控除率アップ、「子育て特例対象個人」なる言葉まで作って子育て支援を前面に打ち出す演出。少子化対策ではなく子育て世帯支援という言葉の使い方を変えるというイメージアップ戦略を大綱の中で表現しています。

一方で、支持率が高い間に退職所得への増税案を示しておきながら、支持率が下落した途端に増税案を雲隠れさせる一貫性のなさもにじみ出ています。

これまでも、シンプルな税制を壊す制度が続々と導入されてきましたが、今年は極端な年になりそうです。

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